ちりほた日記

自らを千尋の谷に落とすような気持ちで社会を生きていますorz

これまでのこと2

就職、結婚、子育て~の現在

地元の大学卒業後、東京の介護施設で就職が決まり、上京してきました。

当時の私の頭の中は完全にお花畑で、介護はお年寄りとのんびりまったりお話できて楽しそう!向いてそう!というかるーい気持ちで就職を決めました。大学で近現代史を専攻していた私にとっては、お年寄りから貴重な戦争体験の聞き取りができるかもという期待もありました。バイト経験もなく、社会の厳しさを全く知らず、恵まれた環境(ごみ屋敷だったけど)で育った私は自ら虎穴に入ろうとしていることに全く気づいていませんでした…

新卒で配属された老人ホームは、一言で言うと、地獄でした。業務は常にマルチタスクで、ミスをすれば入居者の命に関わることもある仕事です。本来なら新人がミスをしてもカバーできる仕組みがあるはずですが、常に人手不足、助けを求めても「あ、そう、まあがんばって!」とスルーされ、ミスをすると徹底的に責任を追及されました。時間に追われ、常に緊張状態にある中で頭の中のタスクはどんどんこぼれ落ちていき、ありとあらゆるミスをしました。残業しても業務は終わらず、毎日2~3時間の残業は当たり前でした。

「親の顔が見てみたいわ」

「(目の前で)明日○○(私の名前)と一緒じゃん、最悪!」

今までの人生で言われたことのない言葉が心に深く刺さりました。

唯一の救いは入居者さんとのコミュニケーションでした。認知症のフロアで、名前を覚えてもらえることはありませんでしたが、辛いことがあっても入居者さんの笑顔を見ると頑張ろうと思えました。まるで自分の家族のように接してくれる入居者さんもいました。

認知症の人が抱える不安や孤独が、子供の時から自分が抱えていた孤独感と重なるように感じていたのかもしれません。

他の人と同じようにできないことで孤立し、辛い思いをすればするほど、同じ境遇の人に強く寄り添いたいと思うようになりました。

 

つづく