ちりほた日記

自らを千尋の谷に落とすような気持ちで社会を生きていますorz

これまでのこと3

退職までの流れ①

最悪の職場環境でも、社会を知らないからこそ簡単に見切りを付けることもできず、8年間がむしゃらに働きました。

ADHDの人は臨機応変な対応が苦手だと私は感じているのですが、長く同じ職場にいることで経験値がたまり、傍目にはできてるっぽく見えるようにはなりました。

しかし、それに伴いリーダー業務や行事の企画等も行うようになり、睡眠やプライベートの時間を最大限に削っても、仕事が追い付かなくなっていきました。

上にいけばいくほど、自分に判断が委ねられる事が増え、周りに目を配ることも必要になってきます。

しかし、私は自分で注視したいと思うことにしか集中できない所がありプロジェクトでメンバーに仕事を任せることはできても、その進捗を見ていくということが苦手でした。

興味がないことに目が向かない、というのは当たり前のことだと思うのですが、私の場合、興味がないことに目を向けることが難しいというほうが合っている気がします。

 

少し過去の話に遡りますが、中学生の頃、周りが流行りのアイドルグループや歌手の話で盛り上がっていても、それらに興味が持てず、いつも聞き役に徹していました。

当時、テレビがあまり好きではなくいつも机に向かって絵を描くか、漫画を読んでばかりいたため、流行の歌や番組も全くわからなかったのです。しかし、ある時なにも知らないことをダサいとバカにされ、負けず嫌い根性に火がついた私は、音楽番組を観て、皆の話題に着いていけるようになってやろうと思いました。

さっそくその日の夜にテレビをつけた私ですが、テレビの画面に現れるヒットチャートはあっという間に消えてしまい、メモを取る間もありません。何より、次々と現れる歌手や曲名が、全く頭に入らないのです。情報量が多すぎたこともあるかもしれません。記憶力は良い方だと思っていたのですが、全然覚えられず、興味が無い曲を聴くのはただただ苦痛でした。

誰かに聴かれた時に、あの曲のここが好きと言えるようにしたいと思っていた私でしたが、曲を聴いてもなにも浮かびません。自分の不器用さに愕然として、なんだかとても残念な気持ちになりました。

その後も何度も音楽番組をつけては見たものの、やっぱり頭に入らず、何をどれくらい覚えたらいいのかも分からず、ひたすら愛想笑いと相槌のみで流行りの話題をのりきることになってしまいました。

それまでは、私は皆が当たり前に知ってることをしらないけれど、それは、やればできるけどやってないだけ、興味ないから知らないだけ、と思っていました。しかし、もしかして、やろうと思ってもできないことがあって、自分を"普通"に見せるためには、かなり努力が必要なんじゃないか…?

その後、苦しめられることになる"普通"という高いハードルの存在に、初めて気づいた瞬間でした。

話がだいぶ脱線してすみません。

 

そんなわけで、仕事においても、これは頑張りたいと思えることには十二分な成果を出せるのですが、仕事上重要なことでも、そこに自分が納得して、興味を持てなければ力を発揮することができませんでした。

結果として、端から見たときに、仕事振りにひどく凹凸のある、扱いにくい社員という印象があったと思います。イレギュラーなことや、自分が目を向けていないことが起きるとまるで対応できず、周りの期待や評価と自分が実際できることの食い違いがかなりありました。

 

当時の私は周りの期待は素直に嬉しく、裏切りたくない、迷惑をかけたくないという気持ちがありました。

それが、当たり前のことを失敗しないようにしたい!どんなことでも気づけるようにしたい!という気持ちに繋がり、次第に自分の行動ひとつひとつに間違いがなかったか確認するようになっていきました。

 

つづく