ちりほた日記

自らを千尋の谷に落とすような気持ちで社会を生きていますorz

これまでのこと4

退職までの流れ②

皆の期待の通りの自分でいたい、失敗したくない、当たり前のことが当たり前にできる人でいたい。

そんな気持ちから、ひとつひとつの行動の前後で、何か見落としていることはないか、やり残していることはないか、確認するようになっていきました。

例えば、入居者さんの部屋を出る前に、ベッドの高さは最適か、忘れ物やゴミが置いたままになっていないか、電気は付けたままか消すかどうか、など、自分の中でトラブルになりやすそうなポイントをチェックしてから退室するという感じです。

入居者さんが1人で転倒して怪我をしたりすると、直前の部屋の環境がどうなっていたのかということを確認する必要があるのですが、私はそれが思い出せないことがよくありました。

私の頭の中は忙しく、目の前のことで考えることがなくなると半歩先のことや、全然関係ないことを考え出してしまうため、意識せずに過ごしているとあとから振り返ったときにその時どんな状況だったのか全く思い出せないのです。

後に受診したメンタルクリニックの先生が、「ADHDの人は超合理的だ」と言っていたのですが、私もそう思います。無駄だと思ったことを無意識に排除してしまうところがあるような気がします。そして、端からは「マイペースだね。」と言われますが、自分ではかなりせっかちな性格だと思っています。

そういった偏った自分の感覚を修正する上で、一度立ち止まり抜けを確認することは、とても有効だと感じていました。実際それでミスを未然に防げたことも多くありました。

しかし、確認する中で、改めて自分が本当に"気づけない"人間だということを実感しました。確認してなかったら危なかったと思うようなことも多くありました。また、確認をルーティーン化するまでは時間がかかり、確認自体が抜けてしまって自己嫌悪に陥ることも時々ありました。

 

なんで、忘れちゃうんだろう

なんで、こんなことに気づかないんだろう

なんで、当たり前に皆が出来ていることが、私には難しいんだろう

 

そんな風に思うことが増え、失敗体験を重ねる度に、1回だった確認が2回になり、3回になり、いつしか、何回確認しても安心できなくなっていきました。

私のことだ、きっと何か忘れているんじゃないかな。

と、自分のことが全く信用できなくなり、執拗に確認行動を繰り返すようになりました。

当然その分業務にも時間がかかるようになり、次第に支障が出てくるようになりました。

ここまで来ると、自分でも、これは8歳の時のやつだ。と気付き、強迫性障害かもしれない、と思うようになりました。仕事以外でも、家を出る時の鍵の確認や、ガス栓の確認、生肉に触ると不安になるなど、いろいろな強迫観念が浮かび、それに伴う確認行動が次々と始まるようになってしまいました。

 

ADHDの特性による不注意を防止するために始めた確認が、いつの間にか強迫性障害を引き起こしていた、ということだと思います。しかし、この時点ではそこまで自分について掘り下げて考えることをしていませんでした。とにかく苦しい毎日から、正社員として働くことへの限界を感じ始め、夫からの勧めもあり、仕事を辞めて短時間の仕事に切り替えることに決めました。

 

つづく